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三菱重工業

# 三菱重工業様：経営トップの号令のもと、レガシー移行を起点にAI活用を全社へ

約1年

当初約3年と見込まれていたCOBOLデータ連携プログラムの移行を、約1年で進める見通し

6.7倍

導入から約半年でのDevin月間利用枠（ACU）の拡張〔社内集計値〕

約87%

Devinが作成した約3,300件のプルリクエストのマージ率〔社内集計値〕

約9割

社内アンケートでの今後の活用意向

## 概要

三菱重工業様（以下、MHI）は、防衛・航空・原子力・パワー・船舶・産業機械などを手がける総合重工業メーカーである。同社では、経営トップ（社長直下）が主導するAI推進イニシアチブの一環としてDevinを導入。情報システム部門と事業部門を横断し、30以上のプロジェクト・部門〔社内集計値〕に広がるかたちで、レガシーシステムのモダナイゼーションを中心に活用を進めている。

その背景にあるのは、AIを積極的に活用していくという経営方針だ。全社戦略として掲げるIT資産のコスト削減と、深刻化する技術者不足――この2つの課題に対し、MHIは生成AIエージェントを「使いこなす文化」を組織として育てることを選んだ。本記事では、その取り組みの現在地を紹介する。

## なぜAIだったのか：経営戦略としての位置づけ

MHIのAI活用は、現場発のボトムアップな試みにとどまらない。AIの推進は経営層からのダイレクションであり、AI関連への投資も継続的に行われている。その大きな枠組みのひとつが、社長直下で進められる全社プロジェクトだ。

> 「AIを使う、コストを下げる、クラウドを使っていく。社長直下のプロジェクトの戦略の中に、そうしたものがしっかり入っています」

同社が抱える課題は明確だった。膨大な数のシステムを保有し、IT予算の多くが既存システムの維持に費やされている。そこにサポート切れが迫るレガシー資産が積み上がり、移行を担う技術者は圧倒的に不足している。あわせて今年度からは内製化への組織的なシフトも始まっており、AIはその推進力としても位置づけられている。

> 「古い技術スタックだと、なかなか人材もいない。時間軸も厳しい。そういうところで、実際にPoCをやってみたら、AIがそれなりのパフォーマンスを出してくれた」

Devinとの出会い自体は、話題のツールをまず試してみようという素直な動機からだった。だが導入後の評価として大きかったのが、**クラウドエージェントであることの統制面での利点**だ。ローカルで動くツールは便利な反面、統制（ガバナンス）を効かせづらい。誰が何にアクセスし、何を実行したかを把握し、統制する――「好き勝手にやらせない」ことも情報システム部門の仕事であり、エンタープライズでAIを広げるうえで、この「見える化」と「統制のしやすさ」は決定的な差になる。

> 「ローカルの方が便利ですが、統制するのが大変で、漏れが出やすい。クラウドエージェントは、誰が何をやっているかが当たり前に見える。統制上はそちらの方が使い勝手がいい」

## 導入の進め方：PoCから本番へ

MHIは2025年12月にDevinの利用を開始した。まずは「AIがどこまで使えるのか」を見極めるため、希望する部門・メンバーがPoCとして試す形でスタート。利用者は情報システム部門を中心に約200名まで広がり、月間アクティブユーザーも導入以来右肩上がりで増え続けている〔社内集計値：2025年12月の2名から2026年6月には92名へ〕。MHIグループ全体では1万人規模での活用を目標に据える。

展開は号令だけで進んだわけではない。推進チームは、利用したいチームと必要事項（ACUの消費の仕方など）をひとつずつすり合わせ、初期セットアップのマニュアルやTips（Ask機能の使い方など）を整備し、依頼に応じて社内レクチャーの場も設けてきた。あわせて、自社の開発標準・セキュリティ基準・法令遵守の要件をKnowledgeとして整備し、各チームがそのベースラインの上でDevinを使える状態をつくっている。

セキュリティ面では、クラウドサービス利用時の通常のセキュリティ審査を経て、利用を開始している。

PoCで手応えが得られた案件は、そのまま本番プロジェクトへと接続されていく。実際、Devinの月間利用枠（ACU）は導入当初から約半年で6.7倍に拡張され、直近もほぼ上限まで使い切られている〔社内集計値〕。AIを導入するだけでなく、AIを組織として運用する仕組みそのものを構築している点が、MHIの取り組みの特徴である。

## 効果の核心：COBOLレガシー移行を「3年」から「1年」へ

MHIで最もインパクトの大きいユースケースが、基幹システムと各拠点のアプリケーションをつなぐ**COBOL製データ連携プログラムのマイグレーション**である。古い技術スタックで作られ、サポート切れも迫るこのシステムを、新しい技術スタックへ移行するプロジェクトが本番で走っている。

ここでDevinがもたらした最大の価値は、**人手だけでは実現できなかった規模とスピード**だった。

> 「たとえば移行対象のシステムが1000あったとして、Devinを使えば並列で処理させられる。人がやると、それだけのリソースを確保できずに期間が伸びてしまう」

移行対象が大量にあるレガシー領域では、この並列処理が効く。当初3年ほどかかると見込まれていた規模のプロジェクトを、**約1年**――来年3月までの完了を目標に――進められる見通しが立った。人材不足という制約のなかで、そもそも人手だけでは着手すら難しかった案件を前に進められたこと自体が、大きな成果である。

品質面では、MHIはいくつかの進め方を比較検証した。ソースをそのまま移行する方式と、いったんソースから仕様書を起こしてから移行する方式――結果として、**ソースから仕様書を起こして移行する方が精度が高い**ことがわかり、現在はこのやり方が主流になっている。

> 「マイグレーションでは、元のソースや仕様書がある。それをちゃんと仕様書として起こし、その仕様書に沿って実装させる。画面でチェックし、バッチやデータ連携系なら新旧を機械的に比較する。比較しやすくするためのプログラムをDevinに作らせる、といった工夫もしています」

本番プロジェクトの実行は、グループのシステム会社であるNTTデータMHI情報システム様のメンバーが中心となり、AIに前向きな若手が手を動かし、経験豊富な担当者がアドバイザーとして支える体制をとっている。

## 品質は「AI任せ」ではなく、人との役割分担で担保する

「AIが作ったものの品質をどう確認するのか」――これは、モダナイゼーションを検討する多くの企業が最初に抱く疑問だ。MHIの答えは、特別なものではなく、**通常のソフトウェア開発と本質的に同じ**である。

Devinに実装させるだけでなく、テストコードもDevinに書かせて自動でテストを回す。GitHubと連携すればCIが回り、Devin自身がテスト結果を見て修正する。Devin Reviewのようなレビュー機能も働くため、不具合はかなり減っている。そのうえで、E2Eテストなど最終確認は人間が担う――役割分担は明確だ。

一方で、課題も率直に語られた。当時（約1年前のPoC検証時点）の品質は「10割中8割」。残り2割は人間が引き上げる必要があった。なお、これはあくまで当時の検証結果であり、その後のモデルの進化を踏まえれば現在はさらに改善している可能性が高い、というのが同社の見立てだ。当時不足していた2割の多くは**実装漏れ**であり、原因の多くは「AIへの指示の与え方」にある。

> 「ちゃんとした情報を渡せばDevinはやってくれるし、精度も出る。でも、抽象的に指示してしまうと抜け漏れが出る。いかに仕様をきちんと起こし、具体的に指示するか――そこは使う側の課題です」

だからこそMHIは、繰り返し発生する作業を**Playbook**として定型化し、指示の質を底上げしている。その徹底ぶりは数字にも表れており、全セッションの約43%がPlaybook経由で実行されている〔社内集計値〕。レガシー脱却のように同じ作業を何度も繰り返す領域では、Playbook化が効率とACU（消費リソース）の両面で効いてくるのだ。

## 広がるユースケース

Devinの活用は、コード生成やマイグレーションにとどまらない。導入からの累計セッションは約11,400、Devinが作成したプルリクエストは約3,300件・うち約2,900件がマージ（マージ率約87%）に達している〔社内集計値〕。

- **計画・現状調査・工数見積もり**：既存システムから情報を吸い上げ、規模の把握や移行計画の元ネタづくりに活用する。
- **重複システムの洗い出しと標準化**：規模が大きいがゆえに「同じようなシステムを作りたくない」。システム間の仕様を比較し、共通項を抽出して標準化を進める活動にもDevinを使う。
- **インシデント対応の自動化**：利用者の多い社内AIアプリケーションでは、スケジュール機能でエラーログを収集し、頻発するエラーを自動で修正してプルリクエストを作成。利用者の声を集めてQAを作る用途にも展開している。

社内アンケートの結果も、こうした手応えを裏づける。PoC段階ながら効果を実感した・一定の効果を感じたという回答が過半数を占め、**今後の活用意向はおよそ9割**（積極的に活用したい約71%、条件次第で活用したい約19%）に達した。効果を感じたポイントとしては、開発スピードの向上、設計・コーディング・テストの技術的補助、開発工数の削減、アイデア創出、学習コストの低さ、そして**ドキュメントがないコードの仕様解析**などが挙がった。

## これから：AIを「使いこなす文化」へ

MHIが最も重視しているのは、派手なキャッチフレーズではなく、**実績を積み重ねること**だ。PoCから次のフェーズへ着実に進め、成功事例をつくっていく。それが全社展開への何よりの推進力になると考えている。横展開に向けては、パートナー企業（NTTデータMHI情報システム様、ウルシステムズ様など）も巻き込み、ナレッジを集約していく取り組みが始まっている。

導入を検討する企業へのメッセージを尋ねると、返ってきたのは飾らない、しかし本質的な言葉だった。

> 「特別なことをしているわけではなく、必死になってやっているだけ。AIの進化はすごい。仕事がなくなるという話もありますが、それよりも“使いこなせるようになるための文化”を、組織として作っていきたい。社内でも“AIしかない”という雰囲気になりつつあります」

今後Devinに期待することとして挙がったのは、Devin Desktop／CLIといったローカル系エージェントにも、クラウドと同等のガバナンス（アクセス制御、ログの集中取得、Knowledgeの連携、SaaS連携時のロール統一など）を効かせられるようにすることだ。エンタープライズで安心して使いこなすための「統制」への期待は、そのまま同社のAI活用の成熟度を映している。

経営の号令から始まり、レガシー移行という最も難しい領域で成果を出しつつあるMHI。同社が目指しているのは、AIツールの導入そのものではない。ガバナンスを整備し、人材を育成し、成功事例を積み重ねながら、AIを組織に定着させることである。その歩みは、「AIをどう全社に根づかせるか」を考えるすべての企業にとって、示唆に富む事例と言えるだろう。
